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血糖が高い人の食事

食事は以下を基本にします。すなわち、①1日に摂るカロリーが多くなりすぎないように、②栄養のバランスが良い食べ方で、③食事を抜いたりせず3食を規則正しく食べる、など気をつけましょう。

1日に摂るカロリー量は、標準体重を基準として生活の中の動きの量に見合ったエネルギーを摂るようにします。標準体重は身長(m)×身長(m)×22で算出します。

1日の適正なエネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×身体活動量

身体活動量

  • 軽労作(デスクワークが多い職業など):25~30(kcal/kg標準体重)
  • 普通の労作(立ち仕事が多い職業など):30~35(kcal/kg標準体重)
  • 重い労作(力仕事が多い職業など):35~(kcal/kg標準体重)

例えば、身長160センチメートルで1日の歩行時間1-2時間以内のデスクワークが多い人の場合

  • 標準体重:1.6(m)×1.6(m)×22=56.3(kg)
  • 身体活動量:軽労作となるため、身体活動量は、25~30(kcal/kg標準体重)
  • 1日の食事で摂取した方がよい適切なエネルギー量:56.3(kg)×25~30(kcal/kg標準体重)=1,400~1,700(kcal)

と、計算できます。

 

栄養のバランスを良くするには、食事は主食、主菜、副菜をそろえます。糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラルを3度の食事に取り入れましょう。油脂類はカロリーが多くなりますので控え目にしましょう。アルコールや嗜好飲料の摂りすぎは膵臓に負担をかけたり肥満の原因にもなりますので、原則として控えましょう。

1日2食や、間隔の開きすぎた食事の取り方は避けましょう。夜遅い食事も良くありません。また適度な運動も大切です。食後のウォーキングなどを取り入れましょう。

そして、実際に食品を選ぶにあたっては「食品交換表」という表がよく利用されています。食品交換表では、ふだん食べているさまざまな食品が「80kcalの分量=1単位」として、栄養素別(5グループ+調味料)に紹介されています。例えば、ご飯1/2杯、りんご(中程度)、鯛の切り身一切れ(80g)などは全て1単位になります。

指示されている1日の総摂取エネルギー量が1600kcalの場合、1日20単位の食品と交換できますが、栄養素がかたよらないように表から選ぶことが大切です。「食品交換表」には、代表的な外食メニューも載っています。目で見てカロリーや栄養素がわかるようになりましょう。糖尿病学会編の「糖尿病食事療法のための食品交換表」も参考になります。

 

(深川雅史監修 糖尿病・血糖管理コンサルタント、豊田隆謙編 糖尿病キーワード、国立国際医療研究センターホームページ 等より抜粋)

 

食後の血糖が上がりにくい食事の摂り方 グリセミックインデックスについて

食事に含まれる糖質の種類によって、吸収されるスピードが異なると言われています。吸収が遅い糖質を含む食品を摂ると、同じカロリーでも食後の血糖値が上がりにくいことがわかっています。食後の血糖値の上がりやすさはグリセミックインデックスと呼ばれ、この数値が小さい方が血糖値が上がりにくいとされます。

食品のグリセミックインデックス例

食パン、ロールパン、ベークドポテト、フランスパン、うどん 80-90%

コーンフレーク、マッシュポテト、ポップコーン、カボチャ 70-80%

白パン、白米、バナナ、アイスクリーム 60-70%

玄米、そば、スパゲッティ、ポテトチップス、オールブラン 40-60%

豆類、牛乳、ヨーグルト 10-40%

 

(関根里恵 糖尿病における栄養植字療法 心身医vol.59,No.4, 2019.  Jenkins DJ, et al. A physiological basis for carbohydrate exchange. Am J Clin Nutr 34:362-366,1981)

 

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