胃癌とピロリ菌の話
胃癌は、ピロリ菌による慢性的な胃炎などによって発症すると考えられています。胃の粘膜は強い酸性の胃液で覆われているため、胃の中ではふつうの菌は生きられませんが、ピロリ菌は酵素ウレアーゼを作りアンモニアを生成することで酸を弱めるため、胃の中に住むことができます。ピロリ菌感染の持続によって慢性的に胃炎が進行し、胃の分泌腺が萎縮し腸上皮化生が生じた結果、胃癌を引き起こしやすい状態になります。このピロリ菌を除菌すると、新しい胃癌が発生する確率を減らすことが期待できます。
また、潰瘍などの目に見える疾患がないにも関わらず、慢性的に上腹部痛や胃もたれなどが持続する機能性ディスペプシアも、ピロリ菌の除菌により症状が軽快することがあります。
ピロリ菌検査のためには保険適応で認められている疾患、例えば慢性胃炎などを診断することが必要です。胃癌リスクを正しく評価するためにも、内視鏡検査(胃カメラ)をお受けください。
内視鏡検査について
当院ではオリンパスの細径経鼻内視鏡「GIF-1200N」を使用しております。鼻からでも口からでも検査可能です。嘔吐感や不快感などの苦痛が少ない検査を心がけています。
詳しくは「胃カメラについて」をご参照ください。